川西ロータリークラブ 卓話

 卓話者:藤木 薰会員

川西市における要介護高齢者歯科診療の現況 ~3Cシステムを通じて~

 救命医療の発達により、かつては致命的であった疾患や状態から救命率は上昇しています。しかしながら、致命的状態になる前の状態にまで機能が回復することは少なく、障害を有した状態で日常生活に不自由を持つ要介護・高齢者は増加しております。
 摂食嚥下障害は、そのような障害の一つでありますが、その発症は脳血管障害だけでなく、呼吸機能や認知機能の低下、加齢によって生じる場合も多く、病院、施設、在宅にかかわらず日常的に経験するものであります。
 摂食嚥下障害は、長期的には脱水や栄養失調の原因となり、短期的にも水分や食物を誤って気管から肺に誤嚥してしまうことで、誤嚥性肺炎のみならず窒息の原因ともなるため、特別の取り組みが必要となり、近年「口から食べること」への支援が、病院、施設、在宅にかかわらず強く求められるようになってきております。
このような背景から、経口摂取することの重要性とそのためには歯科医療職との連携の必要性が認識されるようになりましたが、口腔機能向上については、経口摂取を支援する上での基礎であるにもかかわらず不十分な取り組みとなっております。その結果、経口摂取が可能であるにもかかわらず、負荷の低い軟食、刻み食、経口流動食が用いられ、長期経過中に摂食嚥下にかかわる口腔機能の廃用性変化によってむしろ経口摂取が困難となり、非経口的栄養法が慢性的に継続されている場合もよく経験いたします。
 すなわち、長期的な全身状態の低下を防止するために口腔機能の廃用性変化を防止することが必要であり、摂食嚥下機能に関わる口腔咽頭機能の生理学的な評価に基づいた口腔咽頭機能の賦活訓練さらに機能賦活段階に応じた適切な食事調整が必要となります。
  川西市歯科医師会では、“3Cシステム”つまり「コアー」「ケア」「キュア」の3つの“C”を基本理念に、新世代へ向けた独自の「口腔ケアステーション」を立ち上げ、社会へより強い貢献を目指しております。
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