川西ロータリークラブ 卓話

 卓話者:芝田一夫会員

税と財政



 日本で最初に税が現れたのは「女王卑弥呼」の時代です。収穫物の一部が税として納められたという記録があります。飛鳥時代に、大宝律令、班田収受の法が制定され、戸籍に基づき、農民に口分田を与え、その収穫の一部が税として納められました。その後、時代の変遷に伴い、経済が発展してくると、市場が生まれ、生産や販売を独占する「座」に対して、座役が課されました。商工業者には、「棟別銭」「土倉役」「酒屋役」が課されました。
 安土桃山時代には、太閤検地が行われ、定められた石高に対して2公Ⅰ民の年貢が課されました。江戸時代も引き続き、田畑の収穫物に年貢が課され、商工業者には「運上」「冥加」という税が課されました。
 明治になり、地租改正が行われ、土地の所有者には地券が発行され、地券に書かれた土地の価格の3%が地租として課税されました。江戸時代までの物納中心から金銭納付に変わりました。昭和24年にシャープ勧告があり、翌年には青色申告制度が設けられました。
 その後、日本は高度成長路線に乗り、税制は順調に機能しました。平成元年には消費税が導入されました。しかし、経済成長が止まり、バブル崩壊により税収不足が生じてきました。少子高齢化、経済のグローバル化などから、将来を展望した税制改革の必要性が叫ばれています。
 税は公共サービスの費用となり、所得の再分配機能、景気の調整機能を有しています。税と社会保障費を併せた日本の国民負担率は40.1%と主要国の中ではアメリカに次いで低いです。
一方、財政は財政赤字が続き、公債の残高が668兆円になり、世界の中でも日本は財政不健全の国に入っています。
平成23年度一般会計によると、歳入は92.4兆円でその内訳は租税、印紙収入が40.9兆円、その他収入7.1兆円、公債収入44.2兆円となっています。税収で賄われているのが4割程度に過ぎず、5割弱は借金に依存しています。歳出合計は92.4兆円で、その内社会保障費28.7兆円、地方交付税等16.7兆円、国債費21.5兆円となっています。国債の元利払いに充てられる費用、社会保障費関係費、地方交付金で全体の7割強を占めています。
 今後の少子高齢化の進展を考えるとますます社会保障費が増大し、税収不足により国の借金が増大すると思われます。税制と社会保障制度をトータルに捉えた給付と負担の再検討が必要です。少子高齢化から脱却するための人口増対策、日本の国内総生産(GDP)を増加させるために、技術革新による需要の創造、海外からの投資、海外所得を国内へ還流させる政策が必要です。

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