川西ロータリークラブ 卓話

 卓話者:藤田清純会員

癌と闘っています

 25年前に泌尿器科系の病気で手術を経験しました。その際事前検査が余りにも耐え難い?ものであった為、泌尿器科恐怖症となってしまいました。
 以来25年他の病気に罹ることはあっても泌尿器科系は特に何の問題もなく過ごして参りましたが、今回、尿鮮血があったため、いやいや泌尿器科へ行きました。診断は前立腺がんの初期であるということで、早速に治療が始まりました。幸い他への転移は認められなかったため、治療もほぼ峠を越えました。例会への出席も出来るようになり安心しております。
-以下卓話の追加として掲載させて頂きます-
1975年に前立腺がんを発症した患者は2,000人程度でしたが、2000年には約23,000人、2020年には78,000人以上となり、肺がんに次いで男性のがんのうち、第2番目の罹患数になると予測されています。
このように前立腺がんは増加傾向です、その原因としては、「日本人の高齢化」、「食生活の欧米化」、「PSA検査の普及」などが考えられています。前立腺がんは主に60歳以上に多くみられ、とくに80歳以上では半数以上に潜在性の前立腺がんがあるといわれています。そのため、日本人の高齢化に伴い、前立腺がんの患者が増えてきているのです。かつて穀類、豆類などの食生活を中心としていた頃は、日本人には前立腺がんは殆どみられませんでした。しかし近年の食生活の欧米化に伴い、動物性脂肪を沢山とるようになったことが、前立腺がん発症に何らかの影響があると考えられています。
近年、PSA検査によって、直腸診や超音波検査では発見することが難しかった、また症状があらわれない早期のがんを見つけることが出来るようになりました。したがって、PSA検査が普及したことも、前立腺がん患者の増加の一因になっていると考えられています。
PSA検査とはどのような検査でしょうか?PSAはふだんから前立腺で産生されているので、微量のものがつねに血液中に流れこんでいる。ところが前立腺がんにかかると、PSAの産生量が増加して、血液中に侵出する。この量を測定してがんの進行状況を判断しようとする方法です。PSAは「前立腺特異抗原」と訳されており、がんを見つける目印になります。PSA検査が1990年代に導入されてから、前立腺がんの治療は長足の進歩をとげてきた。この検査では1ミリリットルの血漿あたり、ナノグラム(10億分の1グラム)単位のPSAでさえ検出することができる。つまり、直腸診では到底わからない早期の小さながんさえ感じとる、大変に鋭敏な検査方法である。『前立腺がん検診ガイドライン‥2008年度版(日本泌尿器科学会編)』では、PSAの基礎値が1.1~4.0なら毎年の検診を、0.0~1.0なら3年に1回の検診を勧めている。数値が1年以内に0.75以上あがれば、基礎値がいくつだろうと医師は追加の検査を考えるだろう。生検で陽性にでる(がん細胞がある。)可能性は、PSAが4から10の間で25~30%、10以上で40%、20以上で60%、50~100では100%とされている。
07年、日本の市町村の70%がPSAの集団検診を実施していたという、群馬県のようなPSA検査の受診率の高い自治体では、約90%が転移のない段階で発見されており、転移がんで発見されるのは10%程度にすぎない。受診率が5%以下の自治体では、転移のない段階で発見されるのは55%程度で、約38%が転移がんで発見されているというから、これらの数字がストレートに死亡率に反映されると見ていいだろう。
 皆さん、前立腺がんで苦しむ患者や、その為長期的に苦しむ家族達をなくするために、排尿に問題がなくても、50歳代を迎えたら(または親兄弟に前立腺がん患者がいる場合は40歳代を迎えたら)、ためらわずにPSA検査を受けましょう。 
参考
①What’s前立腺癌ホームページ
②前立腺ガン治療革命 藤野邦夫著 小学館新書
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