川西ロータリークラブ 卓話

 卓話者:ゲストスピーカー 本田陽一郎様

缶コーヒーはなぜ80円になったか

この前まで100円、その前は120円。何故か? 何故物が安くなったか?→逆に言えば同じお金で物が多く買えるようになったのはどうしてか?
発想は「この先もっと安くなるなら」と買い控えを招き、経済を停滞させ、お金が世間を回らない。お金は回ってこそ意味がある。
 この考えは、物と通貨量の対比に重点を置いた貨幣数量説に源を発するマネタリストの哲学で、ミルトンフリードマンと言う有名な学者の他、長年米国FRB連銀議長を務めたグリーンスパン、現連銀総裁ベンバーナンキがマネタリストと言われている。これに対比する経済学総需要管理政策のケインズ派である。急増の片面しか印刷していない、裁断もしていないお札を並べて取り付け騒ぎを収束させた。フリードマンの「インフレーションとはいついかなる場合も貨幣的現象である」という言葉が有名である。
 さて、本邦は現在デフレと言われ、通貨高である。であるなら通貨量不足なのだから増やせばいい。政策としてインフレターゲットを設定し、量的緩和を行うべきだが、日銀はバブルの悪夢を抱えこれ以上の量的緩和に反対の姿勢である。2月予算委員会で日銀総裁白川は「2%を目指した1%?」と意味不明の答弁を行い、政府が2%と明言した点と齟齬を生じている。
 もう一面の重要な点は、通貨高は国内要因だけでは決まらない事である。国内要因と海外要因、対米ドル、ユーロに対しての円の価値である。
 世界三大通貨は米ドル、ユーロ、円であるが、今は世界中がこぞって円を買い、円高が進行している。
 何故円が買われるか?例えば、債務はGDPの2倍以上であるから、日本は世界でも債務最大の国家であるにも拘らず、円が買われて強くなるのである。ここに、政府のトリッキーな解釈が入っている国家財政赤字は、政府からの見方であり、本邦国債の国内消化率は97%、残りも円建てある点は、本邦民間部門が政府国債購入している事であり、国の貸借対照表は政府赤字でも民間黒字でバランスしているのだ。ドイツで3-4割、ギリシャは7割を海外に買ってもらっている。この様な国が国債デフォルトを起こせば、他国に迷惑をかける。本邦は民間銀行に事業投資判断の力がない結果、馬鹿の一つ覚えで国債ばから買うから、おかげで国債97%の国内消化率となった。その原資は民間の預金であるから、預金は民間の財産であるので、つまり政府は赤字でも民間は黒字、国内消化率が高いから借金がGDP2倍以上でも、政府赤字だけで財政再建を叫ぶのは誤りなのだ。国民・国家レベルでは資産と負債がバランスしている。外国に借金はない点、これが欧米と大きく違う。経済を回すのに国債を発行して海外に買ってもらう欧米(対米証券投資)と日本を同じに論じられるか?との点で、先の民主消費税増税の仮定の前提は誤りがあると思っている。
 余談だが、ギリシャがユーロ離脱危機の時、ドラクマにもどしても対外債務はユーロ建てで100年でも200年でもかかって返すべきと思っている。第一次世界大戦敗戦国ドイツのワイマール賠償金は、最終的に一昨年75万ユーロ払って完済した。全部払ったんですよ。ドイツは。寒い国の人は真面目ですね。地中海の温暖な気候のギリシャ人もユーロから離脱して借金は1,000年かけても払ってもらいます。
 また、本邦は失業率も低い。雇用は経済の基本であり、営利だけを追求せず社員を大事にしてきた日本の会社は、欧米倫理に支配されてその良さを奪われつつある。失業率に関しては日本一桁、アメリカ10、欧州15、ギリシャは25%で実に4人に一人働いていない。そんな国らに日本をとやかく非難する権利はない。大体、ギリシャなぞ53歳から支給される年金を58歳にするとしただけで「デモ、暴徒化」するのだから、どれだけ働かないんだ?既に米欧は年金支給開始は年齢は70歳にしている。年金は何歳からもらうではなく何年間払うかで決めるべきで、ギリシャのような長寿国は当然支給開始年齢は遅れるべきである。
 ちなみに月5千ユーロもらっている人もいるそうです。100円とすれば50万円です。国家破綻は当然の帰結です。
 その三大通貨の中で、積極的に円を買う必然はないが、ユーロよりドルが「まし」でドルより円が「まだいい」って事なのです、資産保全面でね。
 今ユーロ危機、米はQE3で量的緩和、1次が住宅債権買って1.7兆ドル、2次が連邦債で6千億ドルかな、3次は数兆の緩和かもしれない。ますます円高になり日本だけ通貨高が進行し、デフレ・買い控えで経済の停滞に喘ぐのです。これみんな欧米の経済政策の失策のつけです。なぜ日本人が払うのか?
 欧州や米国はいざとなったら政府・民間一体となって何するか分からないから、何もできない日本(日本銀行・日本政府)の円が安心って面もある。つまり世界中のファンドから「甘く」見られている証拠なんです。
 そもそも介入はカンフル剤で根本解決にはならない。見方を変えれば、輸出産業に対する形を変えた補助金でもある。そもそも、日本は貿易立国か? に対しては、貿易のGDP貢献度は1割もない。ドイツ3割、韓国はもっと大きいのです。そういう国は通貨安を目指すべきです。
 GDP1位米、2位中国、3位日本
 では人口は?アメリカ3億、中国13億、日本1.3億
 一人当たりでは46,859㌦・7,544㌦・33,805㌦
日本はすごいのです
 ランキングにするとユーロ危機のギリシャとかスペインとかどこにいます?日本のずっと下です。都道府県と比較しても下です。小国なんです。でも、彼らの享受のつけは日本人が払っている。馬鹿馬鹿しい話です。
 ユーロは各国に厳しい財政規律を課した結果、各国は軍事費削減に回り、小競り合いの紛争は減った事だけが唯一の成果ですね。まあ、欧州の歴史は戦争史に他ならないので。
 日本は47都道府県が各県1国としても立派に人口とGDPを生み出している世界に誇れる国なのですから、アメリカ人やフランス・イギリス、ましてギリシャ・スペインに指図される覚えはないとどうして誰も言わないのかな?無能無策な政府・中央銀行ならいっそのこと、小さな警察国家を目指して経済に関与しなければいいんです。すると、社会保障一体の税制改革なんて不要になるのです。
 それでも日本は日本です。民間こそが活力であり、政府が無能でも大阪の地盤沈下が叫ばれても、世界から見れば「大阪国」として独立できるくらいの力があるのです。自信を持ちましょう!
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