川西ロータリークラブ 卓話

 卓話者:斉藤喜博会員

病院でもらう薬のお話(新薬が病院や調剤薬局の棚に上るまで)

 「JIN」仁」という江戸時代末期にタイムスリップした現在の脳外科医が維新前夜の江戸のまちに西洋医学を持ち込みいろいろな波乱をおこすテレビ番組があります。その中で、ペニシリンを製造する試みがありました。当時は薬というものは、歴史ある漢方薬か、怪しげなものしかなく、政府など国の管理下にあるわけではありません。一般人が自由に粗悪な「薬」と称するものを販売することができました。さて、現在の薬、とくに病院などで使用される薬はどのような手続きを経て販売されるようになるかをおしらせします。
 厚生労働省の部局が独立したPMDA(医薬品、医療機器総合機構)という独立行政法人が審査業務にあたっています。機構は、清潔・近代的な、設備や工場で、正しく作られているか?純粋な製品ができているか?薬に本当に効果があるか?副作用のコントロールができるか?などを正確に判断して製薬会社からの申請薬の審査をおこないます。
簡単には次のとおりです。会社が新規物質の探索・創製(理化学的性状の研究)、それを「くすり候補物質」として、非臨床(動物)試験をおこない薬効、動態、毒性、製剤化試験を経て「薬」ができます。次は人体に影響がないか、健康成人をもちいた臨床薬理試験(治験)第1相、患者をもちいた探索的試験第2相、検証的試験3相を経てやっと「市販可能な薬」として認められます。製造(輸入)許可・販売され、さらに市販後調査・試験をおこないます。
 治験第3相が終了後、申請にもとずきPMDAは外部から専門委員を招集して、薬効を審議して、審査をとおすかどうかを最終判断することになります。私は2002年以来専門委員のひとりとして、9つの新薬の審査に携わり、7件を承認、2件を却下する経験をいたしました。その経験からの表の話、裏の話などをご紹介いたしました。
一覧はこちら